聴力/Sense Of Hearing

基礎的な検査で「防音室環境」ではなく通常の検査室でヘッドフォンをかけていただくものです。普通、人間の耳は雑音と検査音を「聴き分ける」ことができます。


採尿の方法 -的確な尿検のために-

健康診断などでほとんどの人が検尿をする機会がある。その際、注意すべきは、検尿コップには尿以外のものを混入させない事です。女性では外陰部や膣に由来 した分泌物、男性では亀頭や包皮の分泌物が混入すると 尿検査で細菌や白血球が検出されることがあり的確な 診断を妨げてしまいます。それで、出だしの少量は流し中間の尿を採取する、泌尿器科での採尿方法である「中間尿の採取」を健康診断でもお願いしています。 激しい運動の後や精神的ストレス、過労などが原因で一時的にたんぱく尿がでることがあります。激しい運動の後に血尿がでることもありますからあらぬ病気の 疑いを排除するために、検尿の前は身心に無理が掛からず平静 な状態であることが好ましいのです。


前立腺と直腸触診 -50歳過ぎたら定期検診-

触診は、肛門から指を挿入して直腸の壁越しに前立腺を触れて調べる検査で、しこりがふれる場合は前立腺がんの可能性があります。また、直腸がんの 60-90%は直腸指診で触知できるといいます。前立腺肥大と同様、前立腺がんも年齢とともに発症の危険が高まります。70歳代の人に多く、がんの芽がで きてから病気がはっきりするまで30-40年かかるといわれているほど進行は遅く、自覚症状がほとんどないのが特徴の一つです。明らかな危険因子は年齢 で、高齢になってホルモンのバランスが崩れることなどが背景になります。がん遺伝子の有無や人種による差もあります。世界20カ国の前立腺ガン死亡率をみ ると、最も多いのがノルウェイー次がスウェーデン。概してコーカソイド、ネグロイドは前立腺ガンの危険が高く、モンゴロイドは低いという。少ないといわれ ている日本でも、近年は徐々に増えています。その背景には高齢者の増加が挙げられるが食生活の変化も指摘されます。特に動物性脂肪の摂りすぎは危険因子の 一つと疑われています。世界20カ国の前立腺がん死亡率と食品との関係をみると牛乳、油脂、肉類の摂取と前立腺がん死亡率との相関は高く、逆に穀類、豆類 などは相関が低いという統計もあるのです。食生活の欧米化はこの面でもマイナスとでています。こうしたことから50歳を過ぎたら定期的な健康診断が特に重 要です。健診では問診、触診のほか腫瘍マーカー(目印)を調べる方法があります。


子宮細胞診/Pap Smear Test

豪州政府は、子宮細胞診検査の実施を国庫負担(Medicare Card保持者)し、子宮癌の早期発見と治療を積極的に推進しています。性関係の開始年齢(例えば18歳)から高齢(70歳) までの女性に、定期的な2年毎の検査を奨励しています。寡婦であっても過去に一度でも性関係を経ている女性は、検査を受けるべき、としています。結果が出るまでに通常1−2週間かかります。


乳房レントゲン検査/Mammogram と 乳房超音波検査

豪政府は、50歳以上の婦人の乳房レントゲン検査を国庫負担(Medicare Card 保持者)し乳癌の早期発見と治療を促進しています。乳癌は40−50歳以上の婦人に、より多く発病がみられるため(なかには20歳代の発症例もありますの で油断はできませ ん)、ほぼ2年毎の検査が奨励されています。検査は数分で済み、X線の被曝量は僅かです。結果は通常2週間以内に判明します。また乳癌発見の確率を高める ために 乳房超音波検査を併用する事が勧められます。残念ながら100%発見には届いていないという乳がん検診の一般的な現状、が事実ですから異なる検査を組み合 わせる工夫と、定期的な検査を心掛けましょう。


乳房触診検査/Breast Examination

乳房レントゲン検査にくわえて医師か婦人健康の訓練を受けた看護師による定期的乳房触診検査が奨励されます。乳房の自己触診検査法を医師や医療参考資料か ら学び実施することも早期発見に役立ちます。なお、乳癌でも痛みを伴うケースの報告がありますので、思いこみは危険です。